2013年5月25日土曜日

「憲法を守り抜くのは、生きている人の使命」と加藤剛さん

 俳優座公演「月光の海」に元特攻隊員役で主演している加藤剛さんが、「赤旗」日曜版5月19日号に登場し、「私も、戦争できょうだいを亡くしました」「今の憲法は、いわば、戦争で人生を断たれた人たちの夢の形見。亡くなった人の夢が結集し、化身したものだと思います。だから憲法を守り抜くことは、生きている人の使命だと思うのです」などと、改憲の動きがつよまるなか、憲法を守るつよい思いを語っています。

 私は昔から加藤さんのファンです。加藤さんが出演されるTVもおおかた見ていますが、最近の映画では、「郡上一揆」、「日本の青空」(1.2)のほか、先日は「舟を紡ぐ」を見て来たところです。

 ファンになったきっかけですが、40年以上も前の1967年4月、大阪の同じ会社で「夫婦共働き」をしていた私は、宮崎支店への転勤命令を受けました。しかしそれに従えば、妻が仕事を辞めるか、私が単身赴任を強いられることになります。このため、再考してほしいと要求しましたが受け入れられず、同年7月には解雇され、裁判でたたかわざるをえなくなりました。

「赤旗」の写真
 私が勤めていた会社には、多くの婦人が働いていました。しかし、職場結婚をした後、夫が転勤命令を受けて、泣く泣く退社した人を身近に見た人も少なくありませんでしたから、私のたたかいを支持してくれる人もいましたが、「会社員が転勤するのは当たり前」「会社の給与はいいほうだから、女性は家庭を守ればいいのだ」「だいたい、樋口はゼイタクだ」などという人も少なくありませんでした。

 そのようななか、解雇された私が支持者とともに、毎月1回発行していた樋口夫妻を励ます会「会報」(第5号1967.10.16発行 毎号タブロイド版2ページ)に、支持者のNさんが、TVドラマ「人間の条件」「三匹の侍」などに出演して人気をはくしていた、デビュー間もない加藤さんに出した質問に対する、次のような回答を載せたのです。

質問:樋口さんの要求をどのように思われますか?
加藤さん:人間として、もっとも自然な、基本的な要求だと、僕は思います。「人間は人間らしく生きるべきだ」という原則に立った思考が、もっとも必要なときではないでしょうか。今の日本は。
質問:婦人の働く権利について、どのように思われますか?
加藤さん:婦人労働者の要求を正当に評価し汲み上げること抜きには、職場の民主化は出来ないと思います。働く婦人が僕等のすばらしい観客であることを、僕はよく知っています。
質問:樋口夫妻のたたかいを支持していただくお気持ちを?
加藤さん:はたらく人間として僕もまた、共通の気持ちを持っています。僕にとって「人間」という言葉は、常に「闘い」という言葉と二重写しになっています。(中略、後略)

 私の闘いが軌道に乗ったのは、実はこの記事からで、それからおよそ2年後の1969.7.10、私は画期的な勝訴判決をかちとり、さらに約2年後の職場復帰につながりました。私は加藤さんが万年筆で書いた、太字の分かりやすい楷書の文字を、今でもはっきり覚えていますが、これを改めて読むと、加藤さんはこのころから、根っから現憲法の体現者だったのだと思ったところです。


2013年5月12日日曜日

みどり萌えたつ 九千部山

山頂から見た直下のみどり

 なじみにしている、九千部山には各方向に登山口がありますが、私が登るのは専ら四阿屋(あずまや)登山口から。ここは家から最も近いうえ、登山者がわりに少なく静かで、広い駐車場があり、複数の周遊コースが選べ、どのコースも活動時間が概ね5時間くらい。私にとって、ちょうど手ごろなところが常用している理由です。

 

 そして、私がよく登っているのは、そのうちの九千部山の前山、城山(494m)を越えていく 城山~九千部山コース。登山口の鳥栖市案内板によれば、1499年筑紫満門氏が入部し、今日登山口にある神社一帯に居館を設け、城山山頂の勝尾城(かつのおじょう)を主城とし、周囲に支城を置き、1586年島津氏に滅ぼされるまで、東肥前・筑後・筑前の一部を支配したとあります。最後の城主は筑紫広門氏です。

見上げる樹木のみどり


 私はこの標示を見てから、島津との戦に破れた広門氏がその後どうなったのか、何となく気になっていましたが、先日近くの「ブック・オフ」の書棚で、佐野量幸「筑後川物語―筑紫広門の生涯」(葦書房 昭和62年刊)を偶然見つけて購入しました。



 この本によれば、島津氏に敗れた広門は、久留米市の南部にある大善寺に幽閉されましたが、全国統一をめざす豊臣秀吉によって島津氏が退けられた機会に、秀吉によって筑後上妻郡に1万8千石を拝領して抱えられ、その後慶長の役では朝鮮に出兵。関ヶ原の戦いでは西軍につき、それを理由に改易となり、68才で安らかに逝ったと書かれていました。

新緑で明るい登山道
ひっそり咲くヤマツバキ


本を読んだ直後の5月8日、このコースで九千部山に登りました。ことし10回目ですが、山全体がみどりに萌たち、谷筋の中木を藤棚にしたヤマフジは、紫いろで彩っています。幾度も通っているのに、初めて登るような新鮮な気分です。そのうえ、山頂直下の自然林内のヴァリエーションルートに、めったやたらと貼ってあった、テープも誰かがはがしていて清々しています。また、先日私がはがしたテープのことでは、鳥栖市役所に経過報告的なメールを出しておきましたが、5月6日に好意的な返信をもらっていましたから、山がいちだんと輝いてみえるようです。

 
 

 安倍自民党は憲法改正の第一歩として、96条の改憲要件を2/3から1/2に変えようとしていますが、改憲自認派の小林節氏(慶大教授・弁護士)は、「裏口入学」みたいなものと批判しています。全く卑劣です。


2013年5月2日木曜日

新緑の九千部山

薄みどりの森の中でミツバツツジ

 1日はメーデーでしたが、ひとりで九千部山に登ってきました。ことし9回目、夏には例年通り八ヶ岳を訪ねるつもりにしていますので、それまで何とか元気でいたいと思ってです。ことに膝がいけません。週3回を目途にジム通いをして、それなりに鍛えていますが、やはり山行間隔が20日以上空くと、下りてくるとき膝が痛みます。てき面にです。いい方法をご存知でしたら教えてください。

 さて、この日の九千部山にはさわやかな風が渡り、すべての木が薄みどりの葉を出し、静かな登山道を歩いていると、私の身体も染まりそうです。それにところどころに、薄紫のフジやミツバツツジの花が咲いていて、はっとさせられます。登山活動は、だいたい5時間で終わりますが、コーヒーなど飲みながら、もう少しじっととどまっていたい気分でした。

高木の下にミヤマシキミ
 先日、沖縄国際大学教授(前琉球新報論説委員長)前泊博盛編著「日米地位協定入門」(創元社2013.3刊)を読みました。実は、私も本の帯に書かれている●戦後70年たっても、なぜ米軍が日本にいるの?●米兵は罪を犯しても、なぜ逮捕されないの?●アメリカではできないオスプレイの訓練が、なぜ日本でできるの?●沖縄県民がこぞって反対している、危険な普天間基地をなぜ撤去できないの?(以上要約)など、問題が表面化するたびに疑問を持っていましたが、その根拠は憲法より上位の「日米地位協定」という法律に依るとわかって、正直、政府やアメリカのやり方にあきれました。全く、日本は独立国どころではなく、世界に例のない、アメリカの植民地・従属国です!

 おりも折、安部内閣は4月28日を「主権回復の日」として祝賀行事を行ないましたが、これほどのウソ・ペテンはありません。この日こそ「従属・屈辱の日」です。当日沖縄県民が抗議集会を開いたのも当然です。日本国憲法は「占領憲法」などと貶めながら、アメリカにはへつらって。私も心からの抗議を表明します。

2013年4月24日水曜日

映画「舟を編む」を観て来ました


 カミサンと、三浦しおん原作の映画「舟を編む」を観に行きました。原作本が2012年の「本屋大賞」を受賞した時、辞書を編集するのは、舟を編むことに似た骨の折れる仕事という趣旨の紹介を読んで、聞きなれないいい回しと思って関心を持っていたので、カミサンの誘いにふたつ返事で出かけたものです。映画では、辞書「大渡海」を出版されるまでの15年が丹念に描かれますが、興味深かったです。

シロモジの花ー4/15九千部山
 さて、先日は使用済み核燃料プールの冷却停止。それが片付いたら、地下貯水槽からの水漏れ、冷却装置停電。福島原発では、いまもって綱渡りの収束作業が行われていますが、安倍首相は「事故の経験と世界的知見を生かして世界最高水準のルールを作って行く」(23日参院予算委での答弁)と豪語し、再稼働にむけてひた走っています。

 一方、原発事故から2年経ち、巷間「風化」がささやかれているなか、忘れないために読み始めた、東京新聞こちら特報部編著「非原発」-『福島』から『ゼロ』。なにせ、上下2段1250pの大冊ですから、容易ではありませんでしたが、一昨日ようやく読み終えました。

 この本は、今に至るも収束できない、深刻な事故現場の様子、被災者の言語に絶する苦しみ、内部被曝などにおののく子持ちの母親たち、無責任な国や東電のあり様などを克明に記録しているほか、救援のために、身を削って活動する学者・医療従事者・自治体職員や個人を描いて胸を打たれます。

リンドウのなかまー4/15九千部山
 また、「新日本原発紀行」と銘打って、日本全国の原発や新規建設予定地、「核燃基地・六ヶ所村」のルポルタージュ、「脱原発のココロ」と題して、脱原発で活動している人を紹介するとともに、国際的な活動や意見も紹介して、原発問題を幅広く鳥瞰視するのに、大いに役立ちました。そのうえ、すべて新聞に掲載されたものですから、各記事は、短く分かりやすく書かれているので助かったところです。

 10日ほど前の15日には九千部山に登りましたが、大木ブナの梢にはちいさな萌黄色の幼葉が春風に揺れていました。またシロモジやリンドウもそちこちで見かけました。春本番です。また、おなじ日には、あたりかまわず貼られたテープをはがして来てブログ&fbに載せて、貼られた人に呼びかけましたが、今日まで応答はありません。なお、上の始末は、鳥栖市役所にも通知しました。


2013年4月16日火曜日

むちゃくちゃ 登山道のテープ


 写真は、九千部山の縦走路約3Kに付けられていたナイロンテープ。あまりにひどいので、昨日(15日)私が外してきて、持ち帰ってきました。

 九千部山と石谷山を結ぶ縦走路は、多様な樹木に囲まれ、緩やかなアップダウンのつづく、気持ちの良い縦走路です。「九州自然歩道」にも指定されて、多くの登山者に親しまれています。踏み跡は明瞭で、道迷いの因になるわき道もありません。公のしっかりした木製道標や案内板も500m以内に立っています。

 それにもかかわらず、件のテープは縦走路の両側にある樹木の3mから10m間隔に、途切れることなく取り付けてありました。なかには公の道標の傍や、すでにテ-プが付けてある樹木にも付けてあります。しかも、テープ裾を20㎝くらい延ばしてあり、風にひらひら舞っています。まるで商店街の売り出し飾り付けのようです。かけがえのない景観をおびただしく損ねています。

 真意は解りませんが、取り付けた人は、テープが景観を損ねることや、無断で国有林に手を加えている事の無法に気づかないのでしょうか。もし、このブログやフェイスブックをご覧になったら、釈明を求めます。また、私は御手洗滝と雲野尾峠分岐から四阿屋方向に進みましたので、御手洗滝側に残っているように見えた、テープを即刻除去されるように望みます。

2013年4月12日金曜日

草むしり 粗方終える


ヤマザクラー4/9 九千部山

 4月1日から始めた畑の草むしりは、8日までに7回、約10時間行って粗方おわり、なんとか格好がつきました。いま思うと、3月じゅうにとりかかっていれば、もっと楽にできたろうということです。後悔先に立たずですね。

 そこで10日には、カミサンといっしょに大川市の友人を訪ね、同市の浄水場の汚泥から作ったという、畑で使う肥料を分けてもらい、帰途「エコタウン」で知られる大木町の道の駅で、トマト・きゅうり・茄子の苗を購入して、11日にはさっそく植えて肥料を施しました。畑では、カミサンが先に植えたジャガイモが芽を出しており、ソラマメには薄紫の花がびっしり着いています。収穫するまでには、さまざまな仕事がありますが、それはそれで楽しいものです。

アオキの実ー4/9 九千部山
 また、9日には草むしり慰労目的で、ひとりで九千部山に登りました。3月28日以来ですが、灌木には目に優しい薄みどりの葉が生え、アオキは赤い実をたゆらせ、ヤマサクラがそちこちで白い花を広げていました。なにより、まぶしい陽ざしが降り注いで、冬が終わったことを告げていました。

 先日、原発事故発生の2011.3月から翌年3月末までのほぼ毎日、東京新聞が「特報面」に掲げた記事のうちの385本をまとめた、東京新聞・こちら特報部編著『非原発―『福島』から『ゼロ』へ』(2013.1.15発行)を購入しました。上下2段組み1250Pの辞典のような厚さで、寝転んで読んでいると、腕が強張って長く続けられませんので、まだ読み終わっていませんが、大手新聞がことごとく、安倍首相の悪政の先導役が勤めているなかで、真実を伝える希有なジャーナリズムがある、と少々意を強くしています。フクシマを忘れないためにも、読まれるようお薦めいたします。


2013年4月1日月曜日

畑の草むしり


 「出番ですよ」。3月の中頃から、カミサンに畑の草むしりをするようにせっつかれていたのだが、ぐずぐずしているうちにとうとう4月である。これ以上延ばせない、と自分に言い聞かせ、身支度をして畑に行った。

九千部山のアオキ
 畑は一面雑草の海である。例年、この時期にはホトケノザが多いのだが、今年はどういうわけかホトケは少なく、カラスノエンドウがあちこちで巻き髭を延ばして立ち上がっている。草除けシートを敷いたあぜ道では、シートを穿ってドクダミがのぞいている。カミサンが育てている虎の子のソラマメは沈没寸前だ。

 さっそく、草取り鎌とシャベルを交互に使って、約90分奮闘したが焼け石に水。カラスノエンドウはマメ科の植物だから、我が家の無農薬栽培畑には良い肥やしなるに違いない、明日以降、当分通わなくちゃと思いながら帰宅した次第。

 先日、大島堅一著「原発はやっぱり割に合わない」(東洋経済新報社2013.1発行)を読んだ。この本には、帯に書かれているように、「原発は最も安い発電方法か?」「脱原発で日本経済は悪くなるのか?」「税金や電気料金からどれだけ原発に回されているか?」「賠償や除染はどうなるのか?」「再生可能エネルギーはあてにならないのか?」など、原発と原発事故の直面する問題について書かれている。なによりの特徴は、やさしくて分かりやすいことである。私はこれまで数多の原発本を読んできたが、私のような素人には、この本が一番と思う。

九千部山のツバキ
 なお、大島氏は立命館大学教授で、経産相のエネルギー関係の諮問委員会委員などを勤められていたが、安倍政権になって、これらの委員会からはずされたとのニュースもある。また、同氏は「原発銀座」といわれる福井県出身で、子どものころから原発は身近な存在であったが、19才の時チェルノブイリ原発事故が起きて、原発問題を深く考えるようになった、とこの本のはしがきにある。
 
 ついでにもうひとつ。目下、我が国の将来を決めるとして、政治の焦点のひとつとなっているTPPについて、東京大学大学院の鈴木宣弘教授が「世界」4月号に「許しがたい背信行為-この国に未来はあるのか」を書いておられる。教授は「TPP反対を公約にし、全国の地域の期待を集めて登場した自公政権が、舌の根も乾かに内に、もう約束を反故にしよう」としていることについて、「TPPに賛成か反対かを超えて」糾弾されている。その筆力がすざましい。私はこの一文にもいたく感じたので、記しておきたい。