2011年8月8日月曜日

ついに 針の木、蓮華岳に登る






 今年の夏はどうも変だ。毎日のように雨が降る。青空が頭上に広がった日にも、山は黒い雲をまとっている。例年ならすっきりと姿を見せる、甲斐駒も木曽駒も阿弥陀も蓼科山も、さっぱりご無沙汰だ。すかっとした夏の日が、この夏はないのである。おまけに、福島や静岡の地震では、ヒュッテが揺れた。今年の夏はどうも変だ・












 7月28.29日には、弟と一緒に北アの中央部に位置する、針の木(2,821m)、蓮華岳(2,797m)に登る予定であった。しかし、雨で中止。けれども、二つの山に登るのを、この夏のメインイベントとして、こちらに来たのだから、もうこれ以上先延ばしにはできない。弟は仕事で行けないので、8月4.5日ひとりで出かけた。












 8月4日。幸い、この日のヒュッテの朝は快晴。まぶしい青空が見えた。しかし、登山口の扇沢に着くころにはしとしと小雨。引き返すことは出来ぬと臍を固め、雨具を着けてスタート。帽子のひさしから雨だれと汗をしたたらせながら、林の中の急坂を登る。そのうち雨はあがったので、雨具を脱いで歩いた。ずいぶん楽になった。















 ごうごうと瀬音を響かせて流れる針の木沢の丸木橋を渡ると、白馬、剣と並んで、「日本3大雪渓」とよばれる針の木の雪渓尻。幅は50mゆうにある、スプーンカットを刻した雪渓が、鷹揚なカーブを描いて、稜線に向かって伸びている。先端はガスの中だ。渡ってくる風はさすがに冷たい。







 スプーンカットの上部につま先を置き、かかとを底に置くように心がけながら慎重に登る。ことに「のど」とよばれる付近は、急な傾斜が付いているので慎重を期した。1時間くらい雪渓を遡上して、右岸に上がり、歩きにくい岩礫帯を登り、最後は砂礫帯のじぐざく道を登って行くと、宿泊予定の針の木小屋であった。









 荷物を「乾燥室」預けて針の木岳に向かい、往復2時間、誰もいない頂上に立ち、小屋に戻る。空は晴れているが展望なし、この夏のパターンであった。








 翌朝、昨日よりはるかにいい天気である。しかし、遠方に見える山は、見えるかと思うと、たちどころにガスに阻まれる。それでも槍ヶ岳の尖峰だけは、はっきりと認められた。



 朝飯前に蓮華岳に登り、朝食後、昨日登ってきた道をゆっくり下る。目的を達しただけに、心はゆったりしている。しかし、2日続きで7時間近いアルバイトを続けているわけだから、くだばっているのはまぎれもない。身体が重く、膝も少々痛む。後続者にたびたび追い越される。ようやく11時に扇沢に戻り、「大町温泉郷」で汗を洗い落とし、名物のそばを食べた。

















 写真は登った日の雪渓と下山日の雪渓。なだらかに見えますが、実際はかなりの傾斜があります。ちらりと見えた針の木岳。早朝小屋から見た槍ヶ岳。

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